A splendid
renaissance in
Florence

フィレンツェでの華麗なるルネサンス

シチリア島タオルミーナ、ロンバルディア州コモ湖に続き、ヨーロッパの芸術の都フィレンツェが、ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌによる魅惑あふれるハイジュエリー コレクションの発表にふさわしい舞台として選ばれました。マリア・グラツィア・キウリによるディオール シルエットが、煌めくドルチェヴィータに捧げるクチュールのオマージュのように、「ディオラマ」と冠された幻想的なクリエイションの数々を引き立てます。情熱あふれる旅物語の幕開けです。
BY MARIE AUDRAN

HIGH JEWERLY EVENT
 / 
00:00
HIGH JEWERLY EVENT
 / 
00:00

* “小間物を意味する「コリフィシェ」の愛称で親しまれた、ディオール初のブティックのインテリアを彩った象徴的なモチーフ「トワル ドゥ ジュイ」。フランスの「アール ドゥ ヴィーヴル(暮らしの美学)」の表現であり、18世紀のシンボルであり、また、クリスチャン・ディオールの輝かしい成功を象徴する証でもあります。時代に先駆けた、アイコニックな「コリフィシェ」の改装が終わった時、クリスチャン・ディオールの親友で芸術家のクリスチャン・ベラールの助言により、壁とカウンターの装飾に「トワル ドゥ ジュイ」が用いられることになりました。こうしてディオールのシグネチャーとなった「トワル ドゥ ジュイ」は、それ以来、メゾンのクリエイティブ ディレクターたちによって、新コレクションが発表される毎に再解釈され続けています。そして今回初めて、ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌによってオマージュが贈られることになったのです。

20245月、トスカーナの幻想的な光に包まれた、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会。ミケランジェロがその才能を開花させたと言われる、フィレンツェ ルネサンスのゴシック建築の至宝であるこの大聖堂の回廊で、ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌが新作ハイジュエリー コレクション「ディオラマ&ディオリガミ」の第一章を披露しました。卓越のコレクションの発表会に招待された特別なゲストを迎えたのは、緑豊かな庭園が美しい、豪華な会場。クリスチャン・ディオールがこよなく愛した自然の、多面的な美しさを讃えます。

ディオール ファイン ジュエリーのクリエイティブ ディレクター、ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌは今回、初の試みとして、1947年以来使われ続けているアイコニックなディオールのコード* であり、フランスの伝統的なサヴォワールフェールの象徴でもある「トワル ドゥ ジュイ」に、幻想的な動植物を散りばめて再解釈しました。おとぎ話のような森の木立の陰に見え隠れするのは、魅惑的な動物たちの姿。ディオール ジュエリーが誇るフィギュラティヴ アートの技術を、眩い色合いの宝石によって描かれた鮮やかなディテールの中に垣間見ることができます。「ジュエリーの価値はその色にあります。ジュエリーとは、顔を明るく輝かせるものです」と記したクリスチャン・ディオール。このジュエリーの美学は、クチュールと自然が織り成す神々しい色彩、印象的な光の戯れによる煌びやかな物語によって、かつてないほどに体現されています。輝くダイヤモンドを散りばめた灌木に飛び込む、ゴールドのウサギ。燃えるように赤いルビーで飾られた枝の間で羽ばたく、2羽のフクロウ。サファイアで縁取られた湖に浮かぶ、優美な白鳥たち。さらに、リス、シカなど、鮮やかなクリソプレーズで命を吹き込まれた動物たちも登場します。

HJ_2024_Look_05
240511_DIOR_S06_086

© Louise & Maria Thornfeldt

1G3A8272

© Louise & Maria Thornfeldt

240511_DIOR_S09_058

© Louise & Maria Thornfeldt

幻想的な劇場さながらのピースに、イエローゴールドやピンクゴールドでかたどった葉の装飾がさらなる魅力を添え、生い茂った低木や、プレシャスな花びらを散りばめた花壇とともに輝きを放ちます。エメラルドのディープグリーンとツァボライトの柔らかなグリーンの調和など、ディオール ファイン ジュエリーを象徴するラッカーが、鮮やかな色合いや彩りを際立たせます。

バラやオレンジの花が香る魅惑的な庭園で眩い輝きを放つ、ネックレス、リング、イヤリング、イヤーカフ、ベルト、アンクレットなどの個性あふれるピースは、同じ色調で彩られた、イタリアの巨匠たちによる絵画やフレスコ画などの傑作を彷彿とさせます。タイムレスな魅力が漂うコレクションにさらなる彩りを添えるのは、この豪奢なエデンの園の瑞々しさに酔いしれるように生演奏を披露する、クラッシックの音楽家たち。マリア・グラツィア・キウリによるディオール シルエットが幻想的なクリエイションの数々を昇華させ、輝くドルチェヴィータにクチュールらしいオマージュを捧げました。60年代風のカプリパンツに、うっとりするような「バー」ビスチェ。繊細なジャカードやモアレ加工ファイユ。煌めくスカート。クチュールとジュエリーの魅惑あふれる対話が、パリからフィレンツェへ、芸術と夢が融合した想像上の旅を紡ぎ出します。

Dior_11_05_240128_E

© Adrien Dirand

「ディオラマ&ディオリガミ」:ディオールによる、ジュエリーアートの真髄

ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌによる新作ハイジュエリー コレクションの第一章となった「ディオラマ」は、フィレンツェの地でディオールのサヴォワールフェールの芸術とクラフツマンシップを余すところなく表現した、美の頂点。そして今日披露される第二章「ディオリガミ」は、日本の折り紙の芸術をジュエリーで解釈するとともに、「バー」スーツとその完璧なプリーツスカートの誕生以来、ディオールが常に注目してきたクチュール技術であるプリーツ加工をデザインに取り入れたコレクションです。こうしたエレガンスの象徴を再現すべく、ディオールのアトリエはその卓越した技術を、ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌの素晴らしき創造性に捧げました。ピースのエッジは、それ自体がジュエリーのモチーフとなるよう、セットされ、ラッカー加工が施されました。そうすることで、ジュエリーはより抽象的で幾何学的なデザインを生み出しますが、常に自然や動植物がインスピレーション源となっています。ダイナミックなコントラストを描く、色とりどりの宝石を用いた、豊かでグラフィカルなコンポジション。その中に出現する、ムッシュ ディオールがこよなく愛した花や鳥たちの一つひとつが見事に構築されています。

HJ_2024_Look_05
240511_DIOR_S06_086
1G3A8272
240511_DIOR_S09_058
Dior_11_05_240128_E