プロヴァンスの
珠玉の宝石
春の夕べの柔らかな光と神々しい香りに包まれた5月、クリスチャン・ディオールが愛した「ラ コル ノワール」城の庭園で、ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌの新作ハイジュエリー コレクション「ディオレクスキ」が発表されました。クリスチャン・ディオールとその後継者たちにとって永遠のインスピレーション源である自然への卓越したオマージュとなった、この魔法のようなイベントを振り返ります。
BY MARIE AUDRAN
「この家を、私の本当の家にしたいのです。(中略)私という人間の新たな出発点となり、気候こそ違えど、私の幼少期を包み込んでくれたあの閉ざされた庭園に再び出会える場所。“クリスチャン・ディオール” を忘れて、ただの “クリスチャン” として静かに生きることのできる場所」。自身がこよなく愛する南仏プロヴァンスの隠れ家について、こう表現していたクリスチャン・ディオール。地元の人たちから親しみを込めて「シャトー ディオール」と呼ばれていたこの「ラ コル ノワール」城の名前は、濃い緑玉色の糸杉やナラの木々が茂る、城の周囲の丘陵(コル)に由来しています。 |
メゾン ディオールは、今回、豪華なゲストを迎え、華麗な「ディオレクスキ」コレクションを披露するにあたって、この「ラ コル ノワール」城ほどの完璧な舞台* を見つけることはできなかったことでしょう。本コレクションは、「魅惑的な風景」「繊細な花束」「華麗な舞踏会」という、ディオールを象徴する3つのテーマをさらなる高みへと押し上げています。「ニュールック」の巨匠クリスチャン・ディオールが育んだ、美しい植物の世界への愛と、華麗で壮大な祝祭への憧憬を次々に描き出す、魅力あふれる三連作の絵画のようなコレクションです。 |
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この夢のようなハイジュエリーのイベントを祝して、セージグリーンのパーゴラが南仏の植物と溶け合う庭園で、南仏マントンにあるレストラン「ミラズール」を率いる、自然との完璧な調和を目指す三つ星シェフ、マウロ・コラグレコが手掛けたカクテルパーティとディナーが催されました。これは、ディオールが大切にしている「暮らしの美学」そして「もてなしの美学」に贈る賛歌であり、まるでクリスチャン・ディオール自身が最も親しい友人や家族を田舎の別荘に招いてもてなしたかのような時間となりました。18世紀に着想を得たディオール メゾンのテーブルウェアは、ムッシュ ディオールが幸運のお守りとして大切にしていたスズランの優美なデザインで彩られ、究極の洗練を体現。忘れな草やアガパンサス、ジャスミン、レモン、ローズマリー、タイム、ラベンダーが、黄金色やホワイト、モーヴ、バイオレットの色彩と香りを調和させ、穏やかな春の夕べのドルチェヴィータに彩りを添える牧歌的な交響曲を奏でました。 |
卓越したポエジー |
驚くべき隠れ家、「ラ コル ノワール」城 |
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